前回は文法の記事でしたが今回は特に
よく使用するが忘れやすい間違いやすい重要な「熟語・慣用句」
は個人的にも備忘録として必要なので、いつでも見返せるようまとめてみました。
実際に検定やHSKのような試験に頻出になるのも、結局はこういう語句だったりするので
学習者誰にとっても欠かせないポイントですよね。
曖昧にしてはいけない、動詞「〇得起」「〇不起」「〇得上」「〇不下」の違い、使い分け
これらはただの動詞ではなく
【動詞+可能補語】という動詞と補語が組み合わさった形で、
中国語にはこのような様々な動詞熟語があります。
基本的には
「〇不□」と「〇得□」の意味は、※〇は動詞・不or得+□は補語として機能※
「~できない(不)/~できる(得)」と、対の関係になっています。
それ故、理解はし易いと思います。
ただ、中には「なんでそのような意味になるの?」と思ってしまうような、
文字から推測できないような暗記するほかない語も多くありますので、間違って覚えないようにすることは大切です。
(実際HSKや中検などの試験でそのような、漢字の見た目とは全く異なる意味を持つ語で、似たような文字の語句幾つかから選択させるような意地悪な問題も多いです。
特に中検は日本人向けに作られているので、日本人の漢字感覚で選ぶと間違えそうなひっかけの選択問題が作られている時があり、下手に漢字が分かる日本人向けに難易度が高いです。。。。)
多くの動詞でこのような形で一つの熟語動詞となり、日常会話で多用されるので、時に「意味なんだっけ?」となる場面が多いですね、
しかも動詞だから文章・会話の中でも重要な意味を持つので曖昧にできず、きちんと正しく一つ一つ覚えなければいけません。
全て動(詞)+補(語)の関係で、【~得起(de lái)・~不起(bu qǐ)※共に「軽声+3声v」※】と読むので、この読みは飛ばします。
※台湾、繁体字キーボードでは、得来「de lái」はそのまま、しかし不起は「bù qǐ」というように「4声(↓)+3声(v)」の組合せになります※
熟語 | 意味 | 読み |
1.禁不起 / 禁得起 | 耐え(堪え)られない / 耐え(堪え)られる | 禁(jīn) |
2.看不起 / 看得起 | 軽視する、ばかにする / 重く見る、重視する | 看(kàn) |
3.瞧不起 / 瞧得起 | 軽視する、軽べつする、さげすむ、ばかにする / 重く見る、重視する | 瞧(qiáo) |
4.来不起 / 来得起 | 間に合わない / 間に合う | 来(lái)=來(繁体字) |
5.买不起 / 买得来 | (お金がなくて)買えない、手が出ない / 買える、買う余裕がある | 买(mǎi)=買(繁体字) |
6.吃不起 / 吃得起 | 食べられない(金銭やお腹の能力的に) / 食べられる | 吃(chī) |
例外. 了不起 | 際立っている、すばらしい、大変である | 了(liǎo) |
最後の 例外.「了不起」に関しては、
【動詞+補語】の形でなく、【形容詞】で今回挙げている語とはまた別になります。
そのため了得起という対の意味はありません。このような例外があるのも頭の隅に置いて全て混同しないようします。
種類多過ぎる、吃不□・吃得□の組み合わせ!
そして上述に「吃不起(chī ・bu qǐ)」を挙げましたが、
実はこの「吃不□・吃得□」だけを取っても実はこんなに種類があります・・・!!(実際はまだまだ・・・)
1.~5.くらいまではどれも似たようなものなので、すぐ回答できるかもしれませんが、
特に7.以降は「?!」と驚かさせされる語もあります。
熟語 | 意味 |
1.吃不起/吃得起 | 食べられない(金銭やお腹の能力的に) / 食べられる |
2.吃不完/吃得完 | 食べきれない / 食べきれる |
3.吃不了/吃得了 | (たくさんあって)食べきれない / 食べきれる |
4.吃不到/吃得到 | 食べられない、食事にありつけない / 食べられる |
5.吃不下(去)/吃得下 | (お腹的に)食べきれない≒吃不了、(好き嫌いで)食べられない / 食べきれる、食べられる |
6.吃不上/吃得上 | (珍しいが為に)口に入らない、(貧乏で)食事にありつけない / 食べられる…etc |
7.吃不来/吃得来 | (食べ慣れなくて)口に合わない,食べられない / (好物とは限らないが)食べられる..etc |
8.吃不消/吃得消 | やりきれない、たまらない、耐えられない / 耐えられる、我慢できる…etc |
9.吃不住/吃得住 | (重くて・大変で)支えきれない、持ちこたえられない、耐えられない / 支えられる..etc |
10.吃不开/吃得开 | 通用しない,通らない,歓迎されない / 受けがよい,顔がきく,人気がある、モテる..etc |
8.9.10.は特に意外な意味になるので、各試験などでもたまに見かけるので、マーカーつけております!
「動詞+不+補語」と「動詞+得+補語」の組み合わせ、覚え方
このように
〇と□の組み合わせが無数に存在するため、ただの暗記では覚えきれないのが現状ですが、
だんだん傾向と、〇と□のうち特に□に入る語は、意味が分かってくるようになります。
【〇得□ or 〇不□】の□例
- □=「住」:~していられる or ~していられない(支えるなど我慢系なニュアンス)
- □=「下(去)」:~してゆく or ~してゆけない
- □=「来」:~してくる or ~してこれない
- □=「起」:(経済的な負担や能力の為)~できる or ~できない
- □=「到」:(目的に届く届かないというニュアンスで)~できる or ~できない
上記のようなニュアンスの違いがあることを あらかじめ覚えておくと、理解が早くなるので近道です。
「吃」以外の慣用句・熟語も記載したいですが、キリがないので、それはぼちぼちと・・・
定期的に記載していきます。
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