まず、中国語を学び始める人の初心者で、登竜門に立つ前に、
- 1 繁体字 と 簡体字の違いとは・・・?
- 1.1 簡体字(简体字)
- 1.2 繁体字(繁體字)
- 1.2.1 【目的となる国を一番の優先順位にあげてください】
- 1.2.1.1 1.日本語の漢字は実は、繁体字も簡体字も両方混ざっているので、欧米人に比べ全然理解出来やすい
- 1.2.1.2 2.繁体字が分かれば、繁体字から簡体字へは比較的容易に頭で変換できるが(本来の字体の為)、簡体字のみだと繁体字へは変換・学習しづらい(不可逆の関係)
- 1.2.1.3 3.同じ単語でも、国(使用地域)によって使う・使わないの単語がとても多く存在するから(多くはこの繁体字か簡体字を使う国によって分かれます)
- 1.2.1.4 繁体字を基本使用、辞書で調べるときに簡体字を使い、簡体字のPC打込:拼音&繁体字のPC打込:注音を使う
- 1.2.1.5 社会的政治的観点からの使用法使い分け注意
- 1.2.1.6 絶対に簡体字で発信してはいけません
- 1.2.1 【目的となる国を一番の優先順位にあげてください】
繁体字 と 簡体字の違いとは・・・?
と、まず思うかと思います。
この2種の字体を選ぶことが、【大陸式】と【台湾・香港式】の中国語どちらの登竜門を選ぶかということに繋がります。
実際の違いを見てみましょう
簡体字(简体字)
1949年に中華人民共和国(今の中国の正式名)が建国され、
1950年代の「文字改革」より制定されたもので、以外にも最近の【簡略化された】文字になります。文字の通り英語でも「Simplified Chinese」と称されます。
主な使用地域:中国本土、シンガポール、マレーシア
繁体字(繁體字)
いわゆる本来使用されてきた自体になります。
英語で「Traditional Chinese」とも呼ばれ「正字」「正体字」と呼ぶのが正しいという声もある
主な使用地域:台湾、香港、マカオ、欧米の華僑
【なぜこのような違いが出来たか?】
前述の通り、新たな中国ができるあがるに併せて、文字改革が毛沢東により指示されたからです。
色々な大きな地域を飲込みかつ編成・統合を繰り返してきた中国は、同じアジア人でも色々な言語民族を束ねてきております。
それ故、このような施策が必要となり、このような文字の種類から既に日本とは大きく異なる文化が理解できます。
ちなみに….
1980年、漢字の長所を科学的に見直すとする「漢字現代化研究会」が北京で発足し、
メンバーに華僑が多く、漢字を遅れたものと見なす従来の文字改革の流れに批判的な立場をとり、
研究会は手書きは簡体字でよいが印刷は視認性に優れた繁体字により行うのがよいとする主張をし、文字改革に肯定的な学者らとの論争が起こった
ここまで見ればわかるようにどちらの文字の使用が良いかが現地でも多くの意見があります。
あなたが今どちらを使用すべきかは
まずは、
【目的となる国を一番の優先順位にあげてください】
実際中国語を学ぶ人は、中国か台湾か香港が主な目的地になると思います。
上記の通り、中国でるなら簡体字、台湾・香港なら繁体字と目標設定したいところです。
しかし・・・!
(台湾・香港向けの人は)困ったことに、
日本では教科書がほとんど簡体字ばかりなのです。。。。!
語学学校でも基本は簡体字です。。。。!
なので、
まずは(台湾・香港向けの人は)
簡体字から入りつつ、
常に繁体字の文字に変換して両方覚えることをお勧めします
(文法などは基本変わらない為、漢字を変換して覚えればOKです)
「え~大変二度手間ですやん・・・」と思うかもしれません。
しかし繁体字と簡体字の両方を覚えた方がいい理由をまとめます。
1.日本語の漢字は実は、繁体字も簡体字も両方混ざっているので、欧米人に比べ全然理解出来やすい
2.繁体字が分かれば、繁体字から簡体字へは比較的容易に頭で変換できるが(本来の字体の為)、簡体字のみだと繁体字へは変換・学習しづらい(不可逆の関係)
(文字によっては繁体字がそのまま日本の漢字である時が多い、つまり文字によっては繁体字の方が覚えやすい時も多い)
3.同じ単語でも、国(使用地域)によって使う・使わないの単語がとても多く存在するから(多くはこの繁体字か簡体字を使う国によって分かれます)
特に3.は致命的です
例えば、今台湾でホットなトピックの
【パインナップル(Pineapple)】
という単語上げます。
台湾:鳳梨(feng li)4声-2声
中国:菠萝(bo luo)1声-2声
になります。
これ、今も仕事で台湾・中国それぞれで「パイナップル」と話すことがよくあるのですが、
いつも中国の人に鳳梨(feng li)だと「Ha~?(*´Д`)」と言われます。
ちなみに台湾で菠萝(Bo luo)と言うと、台南や南方名物のパンの一種(ボーローパン)※正しくは菠蘿油(ボーローヨー)※で通じてしまいます。。。。
このように同じ単語-Pineappleでも2つの言い方に分かれたり、片方が別の意味になってしまったり・・・・
1つの正解習得が難しいのが、この中国語の難点の一つです。
次に….
学習における重要まとめを記載します。(一部、先ほどの内容と重複します)
■【簡体字メリット】
・日本での教科書や語学学校は基本<簡体字>
・Weblioなどのネット辞書サービスは基本<簡体字>でしか辞書を引いてくれない(1文字2文字の繁体字単語はOK)
・(中国語版TOEICのような)HSK(中国漢語水平考試)は中国本土のテストで、基本は<簡体字>、作文問題は、<繁体字>回答はOKだが自体を誤ると減点対象。
■【繁体字メリット】
・簡体字がフォローしていない、中華圏・華僑相手の全てのエリアで使える(華僑は欧米、シンガポールやマレーシアだけでなく世界中に存在します)
・先に<繁体字>を学んでおけば<簡体字>の理解も容易、<簡体字>のみだと<繁体字>習得は難しい
・日本人は他国に比べ<繁体字>習得が比較的容易
・【上級者向け】拼音(pin yin)だけでなく、<繁体字>を通して注音(ㄅㄆㄇㄈ・ボポモフォ)を学習・習得できる ※(別記事にて紹介予定「拼音」と「注音」の違い)
実際 ド簡体字の中国の若者も近年繁体字が書けなくなったり、見てもわからないが多くなる一方、
台湾や香港の人は中国簡体字を見れば瞬時に分かるという人が多いです–>漢字に強い
なので、今から日本で勉強を始める人は、
簡体字で勉強しつつ、繁体字の漢字もチェックを逐一する事がオススメです。
私は中国語のいろはをしらないで、
最初日本で一か月だけスクールに入り(8-10コマくらいだけ…)–>中国語のあいうえ的な基本が分かる(簡体字で)段階で、
台湾へ飛んで駐在だったので ついてすぐに、繁体字と簡体字の差に翻弄されました。
日本でのスクールの内容・持って行った参考書や独学(簡体字)、が全て繁体字の環境下でよく、
「はぁ?何それ?」(中華圏の「はい?・うん?」がいつも「はぁ?」とキツいのが標準なのでメンタルにきつかったっス・・・w)という感じでなかなか
「教科書に書いてるもん!」って見せても
「台湾ではそう言わないよッ」と一蹴されておりました。
なので繁体字希望の人は、
日本語のスクールでも繁体字対応可能な<台湾人>、<香港人>教師の人を指名することをお勧めします。(しかし香港の先生少ない!)
日本に帰ってきてからもいくつかスクール行きましたが、台湾人を指名しておりました。
そうすると、日本にいる台湾人先生も学校内で、教科書を通し、かつ中国人先生と常に会話を通して、
「ここは台湾だけの言い方、中国ではこう言うんだ」と理解してくれているので、補足説明をしてくれます。
台湾での台湾人先生は(中国での言回しを知らないので、そこを気づかせてくれなかったりします)。
なので私は今は
繁体字を基本使用、辞書で調べるときに簡体字を使い、簡体字のPC打込:拼音&繁体字のPC打込:注音を使う
としております。
ちなみに仕事で向こうで使う場合注意したいのは
社会的政治的観点からの使用法使い分け注意
ご存じの通り、台湾と香港は現状とても国際上シビアな状況です。
なので国民の皆さんの考え方マインドも中国本土と全然異なります。
一時 ある日本人の芸能人が台湾や香港を「中国」で表記してしまったり、こういった国際常識を欠いた人の発信がとても現地の人々を怒らせることがあります。
日本企業が台湾で製品紹介をする時、日系飲食店や小売店が台湾に進出するとき、SNS発信する時、
絶対に簡体字で発信してはいけません
よく炎上しますのでご注意ください。
特にSNSユーザーの若い層がターゲットですとここら辺はかなりシビアです。
いくつも炎上するのを現地で見てきており、かつ私もビジネスをする際、毎度気を付けさせられました。
なので目的によりますが、学習者は、まず自分が繁体字を簡体字を選ぶ際、習得の目的と国を今一度よく考えたうえで、
優先順をつけ学習にあたれば良いと思います。
現地でのコミュニケーションにまず相手の心を掴むためには、
相手にとっての一番の言語を出してあげることが不可欠で、両方使えるようになることは得をしても損になることはないです!
そんな気持ちで私も「どうせなら両方覚えてやろうッ!」と学習目標を最初に立てました。
さすがに台湾語までは無理でした。。。。
(台湾:台湾語・香港:広東語は、中国語同じ単語でも、すべての漢字をそれぞれ現地の異なる発音で読みます。これはもう既に別の言語と認識しており、日本語の方言などは大きく超えております。
いい例を考えていたのですが、FF10のアルベド語があるじゃないですか、あれに近い感覚と思います。おなじ文字を一定の変換規則に則って、全く別の発音にするという点で)
最後に、合わせて学習に役立つ他記事もよろしければ参照ください!